アタシと秘密の王子さま
「あかね?どうしたの?」
彼の手に力が入った。
「安心して、今はあかねだけだよ。この先もずっとね」
彼の優しい声に、ドキドキした。

ほどなくして、アパートに着くと、彼は部屋に行きたいと言い張った。
恥ずかしいなぁ、賢の部屋に比べたら、狭いし。
幸い、先週、掃除をしまくったから、片付いていたからよかったけど。

「せまいから、びっくりするよ」
そう言って鍵を開ける。
ドアが閉まった瞬間、後ろから抱きしめられた。

「あかね、車の中で、何考えてたの?」
えっ…なにってそれは、恥ずかしくて言えない
よ。

「黙りこくって、真っ赤になってた。俺のこと、考えてたでしょ?」
彼の唇が落ちてくる。
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