アタシと秘密の王子さま
触れて、啄んで、やがて侵入してくる。
ああ、やっぱり、気持ちいい。
恥ずかしさを感じる間も無く、私の理性が剥ぎ取られる。

好き、大好き…
いつのまにか、こんなに好きになっちゃった。

彼が強い力であたしを抱きしめる。
胸に引き寄せられて、彼の鼓動がものすごく早くなっているのがわかるほど。
「さあ、あかね、準備して」

彼から離れると、激しい喪失感に襲われた。

あたしが準備している間、賢は部屋を見回していた。
あたしは大急ぎで、荷造りをする。
今日はお気に入りのワンピースを着よう。
少しお化粧もして。
彼の隣で恥ずかしくないように。

「もう、あんまり見ないでよ」
窓辺に立って、外を見ている彼の後ろ姿に話しかけた。
振り返った彼の、笑顔が固まった。
えっ…あたし、なんか辺だった?
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