アタシと秘密の王子さま
隣に座る、賢を見た。
頬杖をついて、二人の方を見てる。
ちょっぴり眉をしかめて。
なにを思ってるの、賢?

突然、なにかが落ちてきたかのように、
ずしっと体が重くなる。
突然、寒さを感じた。
ねえ、賢、笑ってよ…

あたしの視線に気づいたのか、賢があたしを見
た。
目があって、ふわっと笑う。
「そんな目で見ないでよ」
耳元で囁く。

ゾクゾクと、なにかが背骨を伝う。
「キスしたくなっちゃうから」
手の甲であたしの頬をすっと撫でる。

「ほらそこ、イチャついてないで、食べなさい」
並べられた料理はどれも美味しそう。

「今日も美味しそうだね、いただきます」
ファハドさんは、美花さんの料理を褒める。
うちのお父さんは、お母さんの料理に、そんなこと言わないなぁ。
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