アタシと秘密の王子さま
あかねの腕に力がこもった。

「あの二人の子供として育ったら、あの二人からどんな風に愛されたんだろうって思う。
あの二人が幸せそうにしてると、
その中に自分が入れない、疎外感に押しつぶされそうになるんだ。でもね、あの二人の側にいたくて仕方がないんだよ」

「今日もそう思ってた?」

「思ってたよ…思ってたけど、今日はあかねがいてくれた。だからいつもより、
ちょっとだけ気持ちが楽だった」

「賢の力になれたんだったら、嬉しいな。
どんな賢でも、やっぱり好き」
あかねが俺を見上げた。
迷いのない、笑顔が浮かんでいた。
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