アタシと秘密の王子さま
「…そのためには、自分自身も身辺を綺麗にしといてくださいね。飲酒も喫煙もギャンブルも結
構。リフレッシュは大事です。でも、深酒は厳禁です。お酒が残った状態で、お客様の前に出るなんてもってのほか。ギャンブルも嗜む程度にしておいてくださいね。新人の皆さんは特に、親睦会での深酒に注意ですよ」

にっこり。
課長、和むなぁ…
笑顔につられて、口元が緩む。

「さて、我が社が導入している護身術は、『クラヴマガ』という、イスラエルで考案された軍用格闘術です…そこ、寝ないで!」

急に声のトーンが変わって、空気を震わすような声が響いた。
「初日からいい度胸ですね」

そんな奴、いるのかよ…と、室内がざわついた。
「はい!申し訳ありません!」

部活みたいなノリで、まだ名前も覚えてない男性が立ち上がった。
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