アタシと秘密の王子さま
彼の胸に、頬を寄せる。
柔軟剤と、彼そのものの匂い。
あったかくて、安心する、大好きな香り。

顔を上げると、目があって、にっこり笑い会う。
彼の手か頬に触れ、首筋に触れ、
彼の唇に導かれる。

優しいキス。
だんだん深まって、求めあって、
それから与えあう。

賢、賢、あなたが大好き。
一生、あなたのそばで、笑っていたい。

残りの日々、
あたしたちは、相変わらず家で過ごした。

賢が美花さんに結婚の報告をしたら、
「なんで鳥越より先に、あたしたちに報告する
の」
と、怒られてしまった。
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