アタシと秘密の王子さま

「はじめまして、あかね。ようやく会えたね。嬉しいよ」
子供みたいな笑顔をうかべ、差し出された手を、あたしは握り返した。

「あの賢が、婚約したと言うから、楽しみにしていたんだよ。君の姿は、ネットで見せてもらっていたけれど、実際はこんな綺麗なお嬢さんだなんて、嬉しい驚きだよ！」

お兄さんのアリさんも、賢とあたしの結婚を歓迎してくれているようで、ちょっと安心した。

正直なところ、あたしのような一般家庭の人間
が、結婚相手として歓迎されるかどうか不安だった。
賢は心配することないよって言ってくれたけれ
ど、結婚て本人だけではどうにもならないってこと、よくあるから。

でも、全ては杞憂だった。