アタシと秘密の王子さま
「鳥越くん本当にリーチ長い。あれで上段蹴りとか食らったら、一発KOだね。食らいたくないわー」

あたしは照れ隠しに、格闘技目線で彼の姿を評価する。

「もうすでに一発KO食らっちゃったわー」
真弓が、両手を組んで、ウットリ言う。

やっぱり。
この子は鳥越くんが気に入ってるんだね。

真弓は、あたしと由美子の腕を引き寄せて、小さな声で言った。
「二人とも、抜け駆けはなしだからね!」

その声は、可愛い顔からは想像がつかないくら
い、凄みがあった。

「でもあかねちゃんは、今朝のことで一歩リードなんだから、ちょっと大人しくしててね」

にっこり笑う、真弓の笑顔が怖い。
話には聞いたことがあるけれど、男性を巡ってドロドロしたことって、本当にあるんだ…
< 18 / 167 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop