アタシと秘密の王子さま
鳥越くんが、取り乱してる?
女子に負けてムキになってる?

「ダメー、もう一回やったら、勝てるわけないでしょ」

「勝ち逃げかよ!」
「勝ち逃げでーす。」

ペロッといたずらっぽく舌を出す。

「チッ…覚えてろよ、小林あかね」
「その言葉、忘れんなよ、鳥越賢」

腰に手を当てて、仁王立ちで宣言した。
鳥越くんは悔しそうに、あたしを見下ろしてい
る。

朝、初めて会った時の、あの綺麗な人とは別人みたい。

でもこれでいい。
彼がぐっと身近に感じる。
こんな感じで、仲良しの同期になれれば、それでいいかも。

誰かを巡って、女同士のドロドロに巻き込まれるなんて、まっぴらごめんだわ!
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