アタシと秘密の王子さま
「ノブさん」こと、宮澤伸明。警備課課長。数年前からいっしょに空手の稽古をしている仲だ。
歳は俺より10歳ほど上だったはず。
いつもにこにこして、見た目は柔らかいが、それは表の顔。
その柔和な見た目に反して、学生時代は空手で大学の推薦を取り、国内のタイトルを総ナメにしたというツワモノ。世界大会でも4位という成績を収めている。
眼鏡の奥の目に騙されそうになるが、騙されちゃいけない。眼鏡を取ると、人格が変わるんだ、この人は。
「彼女、美花さんに一目惚れしたって言ってましたよ」
なにそれ、そんな話は聞いてない…
「知らなかったみたいですねぇ。美花さんを追っかけて、ウチ一択で就職活動してたらしいです
よ。気があうなぁ」
ノブさんが、思わせぶりに、小林の方に視線を向ける。
いつものように笑い顔だけど、その目を細めた感じがすごく嫌だった。
歳は俺より10歳ほど上だったはず。
いつもにこにこして、見た目は柔らかいが、それは表の顔。
その柔和な見た目に反して、学生時代は空手で大学の推薦を取り、国内のタイトルを総ナメにしたというツワモノ。世界大会でも4位という成績を収めている。
眼鏡の奥の目に騙されそうになるが、騙されちゃいけない。眼鏡を取ると、人格が変わるんだ、この人は。
「彼女、美花さんに一目惚れしたって言ってましたよ」
なにそれ、そんな話は聞いてない…
「知らなかったみたいですねぇ。美花さんを追っかけて、ウチ一択で就職活動してたらしいです
よ。気があうなぁ」
ノブさんが、思わせぶりに、小林の方に視線を向ける。
いつものように笑い顔だけど、その目を細めた感じがすごく嫌だった。