アタシと秘密の王子さま
「賢、休憩はそのくらいにして、ちょっとこっち見てください」

ノブさんに呼ばれて振り向くと、彼は新人6人にクラヴマガの基本をレクチャーしようとしてい
た。
みんな柔道と空手の、中上級者だが、初めての護身術にに動きがぎこちない。

だけど小林は段違いだ。
ゆっくりと動きを確認して、動きを体に覚えこませているようだ。さすがに代表レベルのアスリートは飲み込みが早い。

「ノブさん、ちょっと小林借りるよ」
彼がニヤッと笑ったのが気にくわないけど、あえて無視。

「小林、本気で反撃してきていいから」
なるべく笑顔をうかべるようにつとめて、話しかける。
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