アタシと秘密の王子さま

「さっきの仕返し？」
上目遣いで答えた小林の顔は、邪魔するなと言っているようだ。
なかなか新鮮な反応だ。
敵意を浮かべた目は、なぜかキラキラしていて綺麗だ。

「仕返しするなら、お前がもっと強くなってからがいい。初心者相手にそんなことするかよ。それとも、美花さんじゃないとイヤ？」

うっ、と言葉を詰まらせる。図星らしい。
「社長がいる時は、美花さん教えないから、我慢しな」
「よろしく…お願いします…」

不承不承という感じだった。
俺、嫌われたかな…
それもまた珍しい出来事だ。

「無駄なものは一切排除すること。動きは必要最低限。防御と攻撃は同時に、そして逃げる、いいな」