アタシと秘密の王子さま
「教えてもらってただけだよ。鳥越くん、前からクラヴマガの講習受けてたんだって。別にそれ以外のことは何も喋ってないよ…」

「それ、信じていいんだよね」
真弓がもの凄い迫力で、詰め寄ってくる。
怖いよ、国際試合でも、こんな怖さは感じたことない。
真弓、本気で鳥越くんのこと好きなんだね。

「言っとくけど、あたし、鳥越くんはタイプじゃないからね!そりゃあ強いし、勉強できるところがいっぱいあるから、話はするけど…」

「それ本当!?」
真弓が上目遣いで、詰め寄ってくる。

女子更衣室でこの会話、中学生かよ…
恋が絡むと、女子は豹変するらしい。
今まで実感はなかったけど、まさか自分がその中に巻き込まれるとは思っていなかった。
社会人初日にこんな風になるなんて、先が思いやられるよ…
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