アタシと秘密の王子さま
「あー、やっぱり、あんたには敵わないよ。ちょっとはあたしに花をもたせなさい」
「それとこれとは話が別です!」
あたしは先輩に手を差し伸べた。

「小林ぃ、アップ終わった?」
鳥越くんが急に現れた。

「上里さん、小林借ります」
「あー…はいはい、どうぞー」
葉子先輩がヒラヒラと手を振った。

「昨日のつづき、今日はやられないからな」
ああ、昨日技をかけられたのが、そんなに悔しかった?

真弓がこっちを睨んでる。
でも、そんなんじゃないから。

あたしはまた、鳥越くんと向かい合う。
「最初はゆっくりな、おまえ、リーチ短いから
さ」

「あたしのこと、チビって言いたいんでしょ!」
< 52 / 167 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop