君と見る空は、いつだって青くて美しい
真宙くんが私の名前を呼ぶ声は、ちゃんと聞こえているのだけど、今の私の心の中は、真宙くんの呼びかけに返事をする余裕がなかった。
「ねぇ、希空ちゃんってばっ」
私が、なかなか返事をしないので、そんな私のことを見て心配している真宙くんは私の名前を呼び続けている。
真宙くんが私の名前を呼び続けていることはわかっている。
わかっているのだけど、それでもやっぱり返事をする余裕がないからか、なかなか声を出すことができない。