君と見る空は、いつだって青くて美しい



「あ~、麻倉さん、ちょっと体調悪いみたいなんで保健室連れて行きます」


 真宙くんは、とっさにそう言った。

 だけど真宙くんがそう言ったからといって、そこで国語の先生が黙っているわけがない。


「麻倉さんの体調が悪いって、なんで隣のクラスの君がそんなことわかるの⁉」


 国語の先生は、動揺が落ち着かないまま、真宙くんにそう訊いた。

 すると真宙くんは国語の先生の方を見て、


「テレパシーですよ。オレ、希空ちゃんのことなら、なんかピンとくるんですよ。では」


 真宙くんはそう言うと、私のことを引っ張りながら歩き始めた。

 そして私も真宙くんに引っ張られるがまま歩き始めた。


「ちょっと‼ 青野くん⁉ 麻倉さん⁉」


 先生の必死の呼びかけにも振り返ることなく、真宙くんと私は、そのまま教室を出ていった。


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