君と見る空は、いつだって青くて美しい
教室を出た、私と真宙くん。
真宙くんは相変わらず私の腕を掴んだまま、歩き続けている。
私は真宙くんに何も訊かずに、ただ黙って真宙くんに引っ張られたまま、真宙くんの後ろについて歩き続けている。
歩いて階段を上って、歩いて階段を上って……。
そうして……。
「おっ、今日も良い眺めだ」
校舎の最上階にある扉を開けた瞬間、真宙くんは嬉しそうにそう言った。
私は、そんな真宙くんをただ黙って見ているだけ。
「それに風も気持ちいい」
そう言った、真宙くん。
真宙くんはそう言った後、私の方に振り向いた。
「希空ちゃんもどう? 風、気持ちいいでしょ」
そう言った真宙くんの表情は、穏やかとやさしさであふれていた。
「うん」
そんな真宙くんにつられるように、私も穏やかな気持ちに包まれた。