君と見る空は、いつだって青くて美しい



 けれど、そのすぐ後、私は思ったことがあった。

 私が教室に戻ったら、真宙くんはどうするのだろう。
 真宙くんも自分のクラスの教室に戻るのだろうか。
 でも、もし教室に戻ったときに、真宙くん、何か言われたりしないだろうか。
 私は、そのことが気になり、とても心配になった。
 だから。


「真宙くんはどうするの?」


 私は真宙くんにそう訊いた。

 すると。


「オレは希空ちゃんのことを教室まで送ったら、また屋上に戻るよ」


 真宙くんは笑顔でそう言った。


「えっ?」


 真宙くんのその言葉に、私は驚きを隠せなかった。

 そんな私に真宙くんはこう話す。


「実はオレ、たまに授業中に屋上に来ることがあるんだ」


 いつもと変わらない笑顔でそう言った、真宙くん。


「そうだったのっ?」


 私は、さらに驚いた。


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