君と見る空は、いつだって青くて美しい



 そして歩いているうちに、女子生徒たちがどこへ向かおうとしているのかがわかってきた。
 このまま歩いていくと、きっと……。


「着いた。ここで話しましょ」


 やっぱり。

 女子生徒たちが私を連れてきたのは体育館裏だった。

 呼び出して話をするときに、よくありそうな場所。

 そんな、よくありそうな場所の体育館裏に来た、私と女子生徒たち。

 今から、この女子生徒たちは私に何かを話してくる。
 一体この女子生徒たちは私に何を話してくるのだろう。

 そんな緊張と不安と恐怖に襲われていると、


「そういえば自己紹介まだだったよね」


 三人の女子生徒の中の、さっきから時々、口を開いている真ん中のポジションにいる女子生徒がそう言った。

 そして。


「私は黒川ありす」


 真ん中のポジションにいる女子生徒が自分の名前を名乗った。


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