君と見る空は、いつだって青くて美しい



 ということは。
 なんとなく。
 なんとなくだけど、この女子生徒たちの構図が見えてきた。

 極端な話かもしれないけれど、真ん中にいる黒川さんは三人の中ではボス的存在。
 名付けるとするならば、『黒川さんとその仲間たち』と言ったところなのか。
 って、勝手にそう思ってしまったのだけど、違っていたら黒川さんの両側にいる二人の女子生徒の人たちには悪い気がする。
 のだけど、やっぱりそう見えてしかたがない。
 黒川さんと黒川さんの両側にいる二人の女子生徒の人たちが、そういう雰囲気を作り出している、気がする。


「でね、さっそく本題なんだけど」


 そうだった、黒川さんは私に何か話があって、私のことを呼び出したんだった。

『黒川さんとその仲間たち』の憶測をしている場合ではなかった。

 本題……。
 黒川さんは一体、私に何を話そうとしているのだろう。
 私は、さらに緊張と不安と恐怖が高まりだした。
 そのとき。


「麻倉さんに訊きたいことがあって」


 黒川さんがそう言った。

 え……?
 私に訊きたいこと……?


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