君と見る空は、いつだって青くて美しい



 なぜだろう。
 黒川さんが笑顔になればなるほど、何とも言えないくらいの恐怖に包まれる。
 その恐怖が私の全身をゾクッとさせた。

 全身がゾクッとしたせいか、私の身体はガチガチに固まってしまった。
 ガチガチに固まって身体は身動きがとれない。
 身動きがとれなくなった私の心の中は、焦りと恐怖でパニックになりそうだった。

 こっ……これはまずい……‼
 そう思った私は、恐怖の笑顔の黒川さんから目を逸らそうと思った。
 だけど、黒川さんの恐怖ともいえる笑顔から目を逸らしたくても、顔も動かなければ目も動かすことができない。
 まるで黒川さんの笑顔が私の全身を縛り付けているような、そんなふうにも思えるくらい、黒川さんの笑顔は恐怖で威圧的だった。


「じゃ~あ~」


 ……⁉

 私が黒川さんの笑顔に恐怖と威圧感を感じている中、黒川さんは再び口を開いた。

 じゃあ……⁉

 黒川さん、一体何を言ってくるのだろう。

 私は恐怖と威圧感におびえながら、黒川さんの言葉を待つ。


< 299 / 553 >

この作品をシェア

pagetop