君と見る空は、いつだって青くて美しい



 黒川さんは、とても恐ろしい人だ。

 笑顔(目は笑っていないけれど)で平気でえげつないことができてしまう。

 私が黒川さんの言うことをきかないときには、きっと言いふらされてしまうだろう。


 私が封印したい過去。

 誰にも知られたくない過去。

 塗り替えたい過去。

 できるのならば、やり直したい過去。


 そんな過去を言いふらされてしまうのは、私には耐えられないこと。

 本当は真宙くんと関われなくなるのは嫌。

 せっかく仲良くしてもらっている友達をなくすことは辛い。

 けれど、私の過去を真宙くんや桜ちゃんに知られたくない。

 本当は、私の過去を知られることがなく、真宙くんとずっと一緒に仲良くしたかった。

 でも、こうなってしまった以上、その望みも叶わない。

 本当に辛い、辛いけれど……。


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