君と見る空は、いつだって青くて美しい



「あっ、私、そろそろ行かなくちゃ。それじゃあ、麻倉さん、今約束したこと、よろしくね」


 そう言って黒川さんは、黒川さんの両側にいる二人の女子生徒と共に歩き出して……。


「あっ、そうそう」


 歩き出したと思ったら、突然、黒川さんは立ち止まって、私の方を振り向いた。


「青野くんと付き合うようになったら、真っ先に麻倉さんに報告するね」


 真宙くんと黒川さんが付き合ったらなんて、そんな報告いらない……‼
 そう思っても、やっぱり言葉に出すことができなかった。

 私が何も言葉にできないまま、黒川さんは、黒川さんの両側にいる二人の女子生徒と共にその場から去っていった。

 結局、私は黒川さんに何も言うことができず、真宙くんと関わらないという、とんでもない約束をしてしまった。


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