君と見る空は、いつだって青くて美しい



 ……そうだ、そろそろ歩かなくちゃ。

 足を止めていた私は、気力を振り絞って、再び一歩、また一歩と、ゆっくりではあるけれど歩き出した。

 そして校舎の中に入り、教室へ向かっていた。

 もうすぐで昼の休憩が終わってしまう。
 早く授業の準備をしなくては。

 そう思いながら階段を上っていた、のだけど……。

 ……?
 誰か……いる……?

 階段を上っているときに、踊り場に誰かがいることを視野で感じた。
 誰かがいることを感じたのだけど、踊り場に着いても誰かは確認しないで、そのまま通り過ぎようと思った、ら……。



「希空ちゃん」


 え……。


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