君と見る空は、いつだって青くて美しい



「そっかぁ、それは残念」


 真宙くん……。


「じゃあ……」


 ……?

 じゃあ……?


「来週の土曜日空いてる?」


 ま……真宙くん……‼


「どうかな? 希空ちゃん」


 ごめん……ごめんね、真宙くん……。

 本当はそういうことではないの……‼

 本当は……‼


「……ごめんね……真宙くん……来週の土曜日も……ちょっと……」


 辛い……苦しい……悲しい……。

 なんで……なんで、こんなこと……。


「そっかぁ、用事があるならしかたがないよね」


 違う……‼
 本当は、本当は違うの……‼

 今週も来週も両方とも土曜日空いてるの……‼

 本当は真宙くんと一緒に出かけたい……‼
 出かけたいのに……‼


「ごめんね、真宙くん。私、授業の準備しないといけないから教室に戻るね」


 もう……こんなの……嫌だ……‼


「そっかぁ、うん、わかった。じゃあ、一緒に出かける話は、また時間があるときにね」


「…………」


 真宙くんのその言葉に、私は返事をすることができなかった。


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