君と見る空は、いつだって青くて美しい
真宙くんは、いつだって優しい。
優しくて思いやりがあって気遣いがある。
それなのに。
それなのに私は、そんな真宙くんの気持ちを無視しなければいけない。
そのことが、ものすごく辛くて苦しくて悲しい。
本当は今すぐにでも、真宙くんに電話をかけたい。
真宙くんと話したい。
真宙くんの声が聞きたい。
それでも私は、それらをすることが許されなくなってしまった。
その結果、真宙くんのことを完全に無視をしていることになってしまっている。
たとえ黒川さんとの約束だからとはいえ、私は真宙くんに酷いことをしてしまっている。
本当は、私が黒川さんに屈しなければ済む話。
でも、私は自分のことを守るために黒川さんの無茶苦茶な要求を受け入れてしまった。
私……本当に……最低だ……。
結局、私は真宙くんの着信を折り返すことも、メッセージの返事をすることもできなかった。