君と見る空は、いつだって青くて美しい
「どうしたの?」
私が困って、なかなか返事ができないでいるから、その男の子がそう訊いてきた。
「…………」
それでも、やっぱり返事に困る、私。
私が返事に困って何も言わないから、私とその男の子の間に妙な沈黙が流れた。
たぶん、その時間は、ほんのわずか。
それでも、私の中では、かなりの時間を感じた。
この沈黙の中、『もう私のことは気にしないで先に行っていいよ』と心の中で何度も思った。
心の中では何度も思うのだけど、それを口に出して言うことはできない。
せっかく親切にしてもらったのに、それは申し訳ないと思うから。