君と見る空は、いつだって青くて美しい



「昼の休憩のとき、希空ちゃんと黒川さんたちがどこかへ向かうところを」


 真宙くん、私と黒川さんたちが一緒に歩いているところを見かけてたんだ。


「でもさ、なんか違和感があって」


 違和感……?


「希空ちゃんと黒川さんたちって、話したことがあったっけって。そのときの希空ちゃんと黒川さんたちを見る限り、そんな感じがしなくて」


 真宙くん、すごい勘。

 当たってるよ。
 私と黒川さんたちは、そのときまで一度も話したことがなかった。


「オレ、なにか感じたんだ。だから、今からオレも希空ちゃんと黒川さんたちの後をつけようか、それともやめておいた方がいいのか迷っていた。でも、数分経って、やっぱり希空ちゃんの様子を見に行こうと思って教室を出たんだ」


 そうか、だから、あのとき。

 黒川さんの話が終わって教室に戻るとき、階段の踊り場で真宙くんとばったり会った。

 あれは偶然じゃなかった。


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