君と見る空は、いつだって青くて美しい
「これを他の誰にも聞かれたくなかったら、もう希空ちゃんにこんなことをしないで」
黒川さんにそう言った真宙くんは、驚くくらい冷静だった。
黒川さんはショックを起こしているのか、悲しそうな表情で真宙くんのことを見ていた。
「……青野くん……私のこと嫌わないで」
黒川さんは力なくそう言った。
「別に嫌ってないよ」
「青野くん」
真宙くんがそう言ったのを聞いた黒川さんは安心した様子だった。
のも、つかの間。
「ただ」
「ただ……?」
「がっかりはしてるけど」
真宙くんの言葉を聞いた黒川さんは、ショックを隠し切れない様子だった。
そして黒川さんにとって、さらに辛いことが……。
「もうオレと希空ちゃんに関わらないで」
真宙くんは黒川さんに、はっきりとそう言った。
「とは言っても、挨拶と授業中どうしてものときは接するから。でもそれだけ。それ以外は、君とは関わりたくない」
「あ……青野くん……」
黒川さんの声はショックと悲しさで震えていた。
「でも、一つだけ黒川さんに訊きたいことがある」
訊きたいこと……?
真宙くん、黒川さんに何を訊きたいのだろう。