君と見る空は、いつだって青くて美しい
「……そう……」
真宙くんは、その一言だけ呟くように言った。
でも、その一言の中にものすごく何かが込められているように感じた。
「行こう、希空ちゃん」
真宙くんはそう言って、その場から離れかけた。
「青野くん……‼」
そんな真宙くんを見て、黒川さんは慌てて真宙くんの方へ駆け寄った。
「青野くん、ごめんなさい‼ 私、本当は麻倉さんにそんなことをするつもりはなかったの‼ でも、どうしても青野くんのことが好きで、それで……‼」
黒川さんは酷いことをした。
だから黒川さんのことは許せない、はずなのに……。
だけど……。
なんか……。
なんでだろう……。
なんか……。
黒川さんのことを見ていると……。
とても悲しくなる……。
それが、なぜなのかはわからない。
わからないけれど……。
「悪いけど、君とは必要以外、口を利きたくない」
真宙くんは黒川さんにそう言って、黒川さんから離れた。
「じゃあ、オレたち行くから」
真宙くんはそう言って、私の手首を掴んだ。
そして真宙くんは、私のことを引っ張って歩き始めた。