君と見る空は、いつだって青くて美しい
私と真宙くんは屋上に来ていた。
今日も屋上から見る景色は美しい。
この美しさは裏切らない。
私は、この美しい景色を見ながら思っていた。
さっき黒川さんに追い詰められていたとき。
あのとき真宙くんが助けに来てくれていなかったら、今頃、私はどうなっていたのだろう。
そう考えると、恐ろしくなってくる。
真宙くんにお礼を言わなくちゃ。
そう思った私は、真宙くんに『ありがとう』を言おうと真宙くんの方を見た。
「あの……真宙くん……」
私が真宙くんに声をかけると、真宙くんも私の方を見た。
真宙くんが私の方を見たからか、少し緊張してきた。
私は緊張しながらも、
「さっきは助けてくれて、ありがとう」
真宙くんに『ありがとう』を言った。
「そんな『ありがとう』なんていいよ」
いつものように優しい真宙くん。
そんな真宙くんに私は、もう一つ言わなければいけないことがある。
それは。