君と見る空は、いつだって青くて美しい



「なんでオレに相談してくれなかったの」


 そう言った、真宙くん。


 相談……。

 真宙くん……。


「黒川さんから、あんな目にあっていること」


 …………。

 真宙くんのその言葉に、私は何も言うことができなかった。


「ねぇ、希空ちゃん」


 真宙くん……。


「もっとオレに頼ってよ、希空ちゃん」


 真宙くん……。

 ありがとう、真宙くん。

 真宙くんの優しさ。
 その優しさは、とても嬉しい。

 嬉しいのだけど。
 真宙くんに頼るということは、真宙くんにそのことを話さなければならないということ。
 それは、私にとっては、かなり難しい問題。
 それを話すということは、私の知られたくない過去を真宙くんに話さなければならないということになってしまう。
 それは、私にとって、したくないこと。
 だから我慢するしかなかった。


「ね、希空ちゃん」


 真宙くん……。


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