君と見る空は、いつだって青くて美しい



「それに、黒川さんの脅しに屈する必要なんてないじゃないか」


 そう言った、真宙くん。
 けれど……。

 そんなことないよ。

『屈する必要なんてない』って、真宙くんは簡単に言うけれど、私にとっては、そんなに簡単なことではない。


 黒川さんは、私が真宙くんと接したら、私の過去を真宙くんや桜ちゃんや他のみんなに言うと言っていた。

 でも実は黒川さんは、私の過去を知っているということは嘘だった。
 だから、黒川さんに私の過去を真宙くんや桜ちゃんたちに言われてしまうという心配はなくなった。

 でも、それは、黒川さんのの口から言われてしまうということがなくなっただけ。


< 364 / 553 >

この作品をシェア

pagetop