君と見る空は、いつだって青くて美しい



 私が実際、人に隠しておきたい過去があるという事実は確かに存在する。
 封印したい、知られたくない、塗り替えたい、やり直したい、そんな過去。

 だから、他人から、そんな過去を言われたくなかったら、と脅されたら、それに従うしかない。
 そう言われてしまったら、従わないという選択肢はない。

 真宙くんが言うみたいに『屈しない』という選択は、私には全くない。

 でも。
 でも、本当は、屈しなくできるものならそうしたい。

 けれど。
 けれど私は……。

 私は、真宙くんみたいに強くはない……から……。
 だから……。


< 365 / 553 >

この作品をシェア

pagetop