君と見る空は、いつだって青くて美しい



「……真宙くんにはわからないよ」


 つい、この言葉が出てしまった。


「わからないって何が……?」


 私の言葉を聞いた真宙くんは不思議そうな顔をしていた。


「真宙くんはみんなの人気者で、勉強もスポーツもできて、いつもキラキラ輝いていていて、いつも自信に満ち溢れてる。そんな真宙くんに私みたいな人間の気持ちはわからないよ」


 そう言ってしまった。
 本当は、ここまで言うつもりはなかったのに。

 この言葉に真宙くんは、なんて返してくるのだろう。


「…………」


 真宙くん……?

 なんで黙ってるの?

 ……‼

 もしかして、私、何か真宙くんを怒らせるようなことを言った……?
 でも、私、特に間違ったことは言っていない。
 全て本当のこと。

 じゃあ、なんで真宙くんは黙っているの……?
 その沈黙がとても不安になる。


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