君と見る空は、いつだって青くて美しい



 緊張はしている。
 しているのだけど。

 緊張しながらも、私は思っていた。
 いよいよ真宙くんの話を聞くことができる。
 真宙くんは私にどんな話をするのだろう。

 真宙くんは『オレにもいろいろとある』と言った後に、『話したいことがある』と言った。
 真宙くんは、その『いろいろ』を私に話そうとしているのだろうか。

 もし、そうだとすれば、その『いろいろ』とは、どんなことなのだろう。

 もしかして、その話は……深刻な話なのだろうか。

 だとしたら真宙くんの気持ちが……。

 そう思った私は、真宙くんのことが心配になった。
 心配になった私は、緑の葉たちの方に向いていた顔を真宙くんの方へ向けた。

 今のところ、真宙くんの表情は深刻な感じではない。

 でも、それは真宙くんが顔に出していないだけなのかもしれない。
 本当は、真宙くんの心の中では、いろいろ深刻ということも……。

 ……って、真宙くんは、まだ何も話していないのに。

 私は、いろいろなことを考えてしまう。
 考えてしまうから。

 真宙くん、大丈夫かな……。
 そう思ってしまう。

 真宙くんが何を話すのか、まだわかっていないのに、私は真宙くんのことが心配になった。


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