君と見る空は、いつだって青くて美しい
「話を聞いてくれてありがとう、真宙くん」
私の過去を一通り話し終えた私は、真宙くんにお礼を言った。
「わざわざ『ありがとう』なんていいよ、希空ちゃん。オレも希空ちゃんに話を聞いてもらったんだから」
いつものように気遣いの真宙くん。
「それに」
それに……?
「『ありがとう』を言うのはオレの方だよ」
「え……?」
「過去の話、本当はすごく言いづらかっただろうに、それを希空ちゃんは勇気を出してオレに話してくれた」
真宙くん……。
「勇気を出して話してくれた希空ちゃんはすごいと思う」
「そ……そんなこと……」
「そんなことないことないよ。希空ちゃんはすごいよ。希空ちゃんの重要な過去をオレに話してくれてありがとう」
真宙くん……。
「わ……私の方こそ、そんなふうに言ってくれてありがとう」
「そんな、わざわざ『ありがとう』なんていいのに」
「ううん、言いたいの。本当にありがとう、真宙くん」
「希空ちゃん……」