君と見る空は、いつだって青くて美しい



 あのとき。
 黒川さんのことがあったあのとき、私は自分の気持ちに気付いた。

 けれど。
 自分の気持ちに気付いた瞬間、私は自分の気持ちに蓋をしようと思った。

 だって、あのときは、黒川さんと、とんでもない約束をしてしまっていたから。
 黒川さんとの、あのとんでもない約束をしてしまったときは、もう二度と真宙くんと関わることができないと思っていたから。
 だから、私は自分の気持ちに気付いても、自分の気持ちに蓋をするしかなかった。


 でも。
 でも、今は違う。

 今は、目の前に真宙くんがいてくれる。
 真宙くんが目の前にいてくれるだけで嬉しくて幸せ。

 それだけでも嬉しくて幸せなのに、もう一つ、嬉しくて幸せなことが。
 それは、真宙くんが私に想いを打ち明けてくれたこと。
 それは、どんなに嬉しくて幸せなことか。


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