君と見る空は、いつだって青くて美しい



「ねぇ」


 ……‼

 青野くんに声をかけられて私は我に返った。


「君の名前はなんていうの?」


 青野くんにそう訊かれて私は、はっとした。

 そうだ、まだ私、自分の名前を言っていなかった。


「あっ、えっと、私は、麻倉希空。こちらこそよろしくね」


 私は少し慌てるように自分の名前を青野くんに伝えた。

 つもりだったのに。


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