君と見る空は、いつだって青くて美しい



「……うん。でも、なんか『くん』付けしないで名前を呼ぶのは、なんかちょっと恥ずかしくて……」


 私は真宙くんと違って、真宙くんのことを『くん』付けしないで呼ぶことは照れがあってできない。


「え~、恥ずかしいことなんかじゃないよ~」


 と、真宙くんはそう言うのだけど。

 やっぱり私は真宙くんのことを『くん』付けしないで呼ぶことは、とても恥ずかしい。

 なのに。


「う~ん……あっ、じゃあ、こうしよう。一度だけ、オレのこと『真宙』って呼んでみて」


 って、言ったから。


「えっ⁉」


 まっ……真宙くんっ⁉


「お願い、希空」


 私のことをじっと見つめてそう言った、真宙くん。


「ま……真宙くん、無理だよ、そんな」


 真宙くんの純粋できれいな瞳。

 そんな真宙くんにじっと見つめられて恥ずかしくなった私は下を向いてしまった。


「そっかぁ、じゃあ……」


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