君と見る空は、いつだって青くて美しい
「オレは、そのとき『そんなの悪いから』と言ったんだけど、君は『気にしないで使ってください』と言ってオレにポケットティッシュを渡して、そのまま去って行ったんだ」
そう、確かにそうだった。
私は、青野くんにポケットティッシュを渡してすぐに立ち去った。
あのときは、あれが限界だった。
それ以上、慣れていない人と接することは、私にとって、かなりの精神的負担が大きかったから。
それでも私がポケットティッシュを青野くんに渡したのは、やっぱり放っておけなかったから。
肘も膝も怪我をして大変そうだったから。
だから私は、勇気を振り絞って青野くんにポケットティッシュを渡した。
確かにポケットティッシュだけでは、どうにもならないことはわかっていたけれど、濡れた傷口を少しでも拭いた方がいいと思ったから。