君と見る空は、いつだって青くて美しい



「……呼べるじゃん」


 え……?


 真宙くんの声に反応して、私は真宙くんの方を見た。

 ……‼

 そのときの真宙くんの表情を見た私は、驚き過ぎて心臓がドキッとした。

 なぜなら、そのときに見せた真宙くんの表情は、とてもやさしく微笑んでいたから。

 さっきまでイジワルな笑みを見せていた真宙くんとは、まるで別人のような、そんな笑顔。

 真逆の笑顔を見せられた私は、頭の整理がつかなくなるほど混乱して忙しくなってしまった。

 大げさかもしれないけれど、それだけ真宙くんの笑顔にギャップがあったということ。

 私は、そんな真宙くんに、なんて声をかければいいのかわからなかった。

 だから、できれば真宙くんの方から何か言ってほしい、私はそう思った。

 そう思っていると。


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