神様にお願いされて新撰組を助けに行きます
トントントン…
ジュウ〜…
「これの仕込みどうなってるのー!?」
ジャッジャッ…
「すみません!4番テーブルさんオーダーミスでチキンのトマト煮じゃなくてガーリックソースでした!!急ぎで一つお願いします!!」
「はぁ!?何やってんだサービス!!」
「すみません!」
ビーー!!!!
「コンベクションなってるよー!!」
「もう7、8分もらえるか4番に聞いてこい!」
「はい!!」
「オム出まーす!」
ガシャンッ
「温玉ラス1でーす!!」
「ラス1でーすじゃねえだろ追加入れろ!!」
グツグツグツ…
「あ!もう18時じゃない!!早番組〜!!あがりなーー!!」
「「「はーい!!」」」
「お疲れ様でーす!」
「はーいお疲れ様でーす」
騒がしく狭い厨房の中、鍋を振る先輩の後ろを挨拶しながら通り過ぎる
「あ、チーフお疲れ様です」
「ああ、近藤ちゃん。お疲れ様」
厨房の出入り口まで出るとさっきまでいなかったチーフが背中を丸めて発注表とにらめっこをしていた
「お先失礼します」
「はーい、明日から旅行だろう?早く帰ってゆっくり休みな。あ、あと今朝の話!ちょっと考えといてよ」
丸くしていた背中を少し伸ばしてニコニコと手を振ってくれる
「はい、ありがとうございます。よく考えてみます」
私はぺこりとお辞儀をして厨房を出た
バタンーー
「ふう、」
張り詰めていた糸を緩めるように息を吐く
ああ、疲れた
やりたくない仕事って、やっぱり疲れる
「ケーキ食べたいなあ」