ひとりぼっちの王子
それから、一ヶ月後━━━━━━━

ピンポーン

「はい…どなたですか?」
インターホンから聞こえる愛しい姫の声。

あぁ…なんて綺麗な声なんだ……

この声聞くだけで、心が震える。
「あの…どなた?」


しまった…つい聞き惚れてた。

「すみません。僕は若王子と言います。
以前、九条課長にご紹介頂いたんですが……
覚えてますか?」

「…………えーと…あ、副社長さんですよね?
覚えてます。お久しぶりです。
………今日は何か?
申し訳ありませんが、私は九条とは離婚して今一人なんです。
九条に用なら今から連絡先お教えしますので、そちらに………」

「違うんです。僕はあなたに逢いたくて来ました」

「え…?私…?」
「はい。少し話がしたいんですが、お時間ありますか?
良ければ、下の公園近くのカフェでコーヒーでもどうですか?
美味しいって評判みたいですよ」


「……………はい…わかりました。
すぐに用意するので、少しお待ちください」
姫は少し戸惑ったようだったが、受け入れてくれた。



良かった━━━━━第一段階、突破だな!
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