ひとりぼっちの王子
その後、俺達は連絡先を交換し店を出た。

「━━━━━あの、空羅さん。
“姫”って呼んでいいですか?」

「え?姫…ですか?(笑)
なぜです?」

「初めて逢った時に思ったんです。
馬鹿にされるでしょうけど、空羅さんがお姫様に見えたんです……!
よくファンタジーであるじゃないですか。
どこかの国の王子が一般人に一目惚れして、結婚するシンデレラストーリーが……!」

「フフ…若王子さん、可愛い…」
クスクス笑って、俺を見上げる姫。

「ちょっ…そんなに笑わなくても/////
フフ…でも確かに可笑しいですよね?
忘れて下さい(笑)」

ちょっと、唐突すぎたか……
俺も、苦笑いをして姫に言う。

「…………いいですよ。呼んでも」
「え?」

「ちょっと恥ずかしいですが、嫌な気しないし(笑)」

「ほんとですか!?ありがとうございます!
あ!僕のことは“利玖”って呼んで下さい。
あと、敬語もなしで!」

「え…でも利玖さんは副社長さんですし……」

「りーく!あと、さん付け禁止!!
それに副社長って言っても、姫が勤めてるんじゃないし!
それに、僕の方が年下じゃないかな?」

「確かにそうですが…」

「ねっ!!
じゃあ、決まり!!
次からさん付けと敬語使ったら、一回につきキス一回ね!!」

「え……!?キ、キス?」



「そうだよ!約束ね!!」
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