ひとりぼっちの王子
九条 時雨side
「単刀直入に言うね!
姫を俺にちょうだい!」

「……は?」
副社長に緊急の相談があると言われ、仕事を一旦切り上げ急いで副社長室に向かうと言われた言葉。

何を言ってるんだ!このお坊っちゃまは。
だいたい姫ってなんの事だ?

「あの副社長。
何をおっしゃってるのか、わからないのですが?
それに、姫って誰のことですか?」

「あーそうだよね!姫って言われてもわからないよね!
姫ってゆうのは、君の奥さんのこと。
“九条 空羅”」

「は?
そうゆう冗談は、やめてください!
緊急の相談があると言われたので、なにかと思えば!!
今みんな仕事が立て込んでて、忙しいんですよ!
だいたい妻は姫じゃないし、モノでもありません!!」

「冗談って…ひどいなぁー
俺はいたって真剣だよ!もちろんモノだなんて思ってないし!
姫……いや空羅をくれたら、代わりに何でも望み叶えてあげるよ!
お金?それとも、君を専務にしてあげようか?」

「望みって…空羅は私の大切な妻です!
あなたにあげるつもりないし、望みなんてありません。
話はそれだけですか?なら、失礼させていただきます」
俺は苛立ちながら、ドアに向かう。





「━━━━━━━九条 晴加(はるか)ちゃんだっけ?」


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