ひとりぼっちの王子
「んんっ…やぁぁ……も…ゆる、して……っ
り…くっ……おね…が…」

次の日の朝。
明るくなる前には起こされ、何度も何度もイカされ続けた。

もう何度気絶しそうになったかわからない。

気絶しそうになると頬を軽く叩かれ、
「ほらっ!ダメだよ!姫!まだ意識保ってて!
もっともっと愛し合わなきゃ!」
と、利玖が責めるように私を追い詰める。

「やぁぁ……も、う……だ…め」
こんなに激しいのに、利玖は少しも疲れてるように見えない。

それどころか、どんどん激しくなってく。



それからも何度もイカされ、解放されたのはなんと、午後1時過ぎていた。

「さすがに腹減ったな。
待っててね、何か用意するから!」
そう言って部屋を出ていく。

でも私は小指ひとつも動かせないほど、身体中に痛みと疲れがあった。

そして、身体中キスマークでいっぱいだった。



「━━━━━姫、ごはんだよ!起きれる?」
私は顔を横に振る。

「そっか…初日からやり過ぎたね。
じゃあ、俺が食べさせてあげるね!」

「いらない。食べたくない」
「ダメだよ!
ただでさえ、姫は細いんだからちゃんと食べないと!
ほらっ!」

「いらない!」
「困ったな…じゃあスープでいいから。ほらっ!」

「いらない!」
私は、精一杯の拒否をしめす。

「はぁー、じゃあ、しょうがないね…」

そう言って利玖はスープを口に含み━━━━
「んんっ……
ゴクッ…」
口移しで、スープを流し込まれた。

「美味しい?俺が姫のために作ったんだよ!
いっぱい食べてね!」
「んんっ…」
何度も口移しで、スープを流し込まれた。

「よしっ!完食!!
美味しかった?」


味なんかわからない。




私を、家に帰して……
< 22 / 50 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop