ひとりぼっちの王子
その日からの生活はまるで、地獄だった━━━━

朝から動けなくなるまで何度も抱かれ、口移しで食事をする。



次の日も、その次の日も━━━━━


家の中での移動は自由だが、外には出られない。
スマホにも利玖の番号しか入ってなく、それ以外は操作できないようになっている。


少しずつ……少しずつ……自分がなくなってく…………

ただの“藤堂 空羅”とゆう人形……


利玖はそんな私を飽きることなく、毎日愛情を注ぎ続けていた。





どのくらいたったのだろう……?

何日?
何ヵ月?


もう抵抗することも諦め、されるがままただ利玖に愛される毎日を送り、利玖なしでは生きれなくなっていた。


「姫、愛してるよ……
あ、首のキスマーク取れかけてる。
またつけ直そうね……!
可愛い…姫」

「利玖…利玖…好き…好き、大好き…
私には利玖だけ…」

「うん!俺も、姫だけを愛してるよ!」


「━━━━━ねぇ、利玖。
外に出たい。少しでいいから。
10分でも、5分でもいいから」

「ダーメ。
外の空気吸いたかったら、ベランダでっていつも言ってるでしょ?
もちろん俺と一緒にだけど。
じゃあ…今日は暖かいから、ベランダでお茶でもしようか?
今からコーヒー淹れようね!」

「うん…ありがとう」


制限はあるが、穏やかな時間が流れていた━━━━
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