ひとりぼっちの王子
「誰……?」

怖い………
助けて……!!
利玖…!!!
私は咄嗟に、利玖に電話をかける。

プルル……
「利玖!!?助けて!!
…………怖い……早く電話出て!!」


「━━━━羅!空羅!!!
いるんだろ!?
開けてくれ!!」


━━━━━━え?………しーちゃん?

しーちゃんの声が、ドア越しに聞こえてきた。


『もしもし?姫?
どうした!!?
すぐ帰るから!!待ってて!』
利玖が焦ったように、電話口で言って切った。



「空羅、空羅!
俺、時雨!開けてくれ!!」

私は吸い寄せられるように、玄関に向かった。


とても懐かしい声……
玄関越しに話しかける。

「………しーちゃん?」

「空羅!!?
良かった!携帯にかけても全然でないし、晴加と心配してたんだ!
空羅、会って話したい!
開けてくれ!」

しーちゃんが必死に、訴えかけていた。
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