ひとりぼっちの王子
「はい、どうぞ?
缶コーヒーとオレンジジュースどっちがいい?」
「あ、オレンジジュースで。
ありがとうございます///」
ベンチに座り、缶を受け取る。

「あの…話って何ですか?」

「うん、君の彼氏くんのことなんだけど…
かなりの不良みたいだね。
犯罪ギリギリのことしてるって」

「ど…して……それを……?」

「僕この辺では顔広くてさ。
色んな情報入ってくるんだ。
まぁ……君のことは調べたんだけど」

「あ、あの、兄には言わないで下さい!!
これ以上、お兄を傷つけることは………
お願いします!!
悪いことだとはわかってるんですが、彼と別れたくなくて……」
私は、焦って若王子さんに懇願する。

「うん、大丈夫。
別に君や彼氏くんをどーこーしようと思ってる訳じゃないから。
…………ただ、僕のお願い聞いて欲しいんだ…!」

「な、何ですか?
兄に内緒にしてくれるなら、なんでもします」


「ありがとう。じゃあ━━━━━━」
若王子さんが、私に“あるお願い”をしてきた。


「え…?で、でも……」



「君ならできるよ!
お兄さんにとって君は一番大切な妹なんだから━━━━」

若王子さんは、不気味な程に妖しく笑っていた。
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